泥又川小松沢~小松沢熊ノ倉沢

2013年6月22日~23日 朝日連峰の外れの沢へ行く。目的は泥又川の小松沢だが、ここに入るには猿田ダム湖をボートで渡るか、奥三面集落跡付近から山越えして入るかの2つの方法だが、今回は奥三面から入るルートをとる。予定は、三面川クロ沢~小松コエト沢~小松沢~小松沢正面沢~小松沢イラカ沢~正面沢枝沢~熊ノ倉沢~小松コトエ沢~クロ沢の周遊コース。小松沢は40年程前、初めて朝日に入った最初の沢で、その時は三面ダムを渡船で渡り、猿田ダムまでゴムボートを含めて40㎏の荷物をキスリングで背負って歩き、ダムからはゴムボートで渡った思い出深い沢だ。この時は泥又川と小松沢を行き来しただけで、奥まで入ることはなかったが、朝日の小沢とはいえ、やはり朝日連峰の沢、簡単には登らせてくれなかった。今年の空梅雨は、こちらも同様。雨がほとんど降っていないため水量が少なく、上流部はほとんど雪渓で埋め尽くされ、小松沢上流部2本の沢は登れず、熊ノ倉沢の下降だけに終わってしまった。小松沢を囲む尾根筋は、以前は、奥三面集落の人たちの狩場で、山道があったようだが、集落が移転してからは、全く分からなくなってしまった。

クロ沢橋からクロ沢に入る。
 クロ沢橋の架かる三面林道のこの付近は、今は湖底に沈んでいるが、以前は奥三面の堰堤があったところで、猿田ダム湖に三面の水を送っていた取水口があったところだ。また、ここは三面川で遭難死した後輩の終焉の地でもあり、山行の無事と久しぶりを詫び湖面側の林道の脇に生花を供えて入山する。

小松コエト沢との鞍部はブナ林の気持ちの良い所だ。
小松コエト沢は平凡な藪沢で、下降に適した沢だ。
小松沢と熊ノ倉沢(ヤヘダ沢)との出合。
40年前の記憶はないが、下流部は河原の広がった平凡な沢、中流部は両岸狭まったゴルジュ状の中を流れる単調な沢の印象しかない。
両岸狭まったゴルジュ状の地形の中、川幅一杯に水流が流れる。
増水すると逃げ場のなくなる沢なので、天候には要注意だ。
今回は水量が少なく、楽に遡行できたが、平水だとかなり時間が掛かりそうだ。
雨が少ないせいか、早くも残雪が・・・。
小イラカ沢手前付近からようやく滝場が出てくる。
イラカ沢、正面沢出合下にはスノーブリッジも架かる。
イラカ沢、正面沢出合。
小松沢は泊り場に良い所はほとんどない。
地形図上は、唯一出合付近が開けているが、実際、河原は皆無だ。
雨が降らないようなので、出合下の猫の額ほどの狭い河原に泊まる。
2日目は、正面沢を登り、イラカ沢を下降する予定でいたが、正面沢に入ってすぐの大スノーブリッジに行く手を遮られる。
懐電を照らして大スノーブリッジを潜り抜けた所に大滝が・・・。
ここは全く登れず、滝上には雪渓からの雪煙が漂っているのが見える。
ここを越えても雪渓で埋まっていると判断、昨日の下見で下降予定のイラカ沢も断続的に雪渓が懸っているのが分かっていたので、ここで正面沢遡行、イラカ沢下降は断念、正面沢枝沢から熊ノ倉沢を下降することにする。
正面沢枝沢出合
この枝沢も雪渓が多そうだ。
入渓して早くも雪渓が出てくる。
熊ノ倉沢への乗越しの枝沢手前からほとんど雪渓で埋まってしまう。
雪渓の上から乗越しの枝沢へ入る。
枝沢から見たイラカ沢は、ほとんど雪渓で埋まっている。
P582下の鞍部から熊ノ倉沢本谷までの下降の枝沢も雪で埋まる。
熊ノ倉沢もほとんど雪渓で埋まる。
ただ出合上の本谷はスラブ状の滝が連続し、なかなか面白そうな渓相をしている。
ゴルジュ状の地形が延々と続き、雪渓と雪渓の間で沢床に降りる所の選定が難しい。
上の雪渓は、大きく口をあけた雪渓の末端を空中懸垂で沢床に下り、次の雪渓に、ブロック崩壊した雪の塊を利用して雪渓の上に乗る。
雪渓と雪渓の切れ間には、多くの滝が懸り、なかなか良い渓相をしている。
増水すると逃げ場のない狭量部が続く。
まだまだ大雪渓が続く。
ようやく雪渓が終わったかと思われる標高300m付近の枝沢を過ぎてすぐのところに所に8m程の滝が現れる。
右岸の懸垂支点とした所に、ボロボロに朽ちたトラロープが残されていた。
8m滝からトウヤ沢出合までゴルジュの中に滝場が連続して続く。
トウヤ沢出合で、ようやく沢が開けてくる。
トウヤ沢を過ぎても、まだスノーブリッジが残っている。
熊ノ倉沢のF1は、船形、笹木沢の鎧滝を小さくしたような15m程の滝だ。
滝壺が大きく、右岸を高巻いて25m程の懸垂で沢床に降りる。
滝を越えると、あとは平凡な平川となり、ほどなく小松沢との出合に着く。
今回下降した熊ノ倉沢は、ゴルジュ状の地形の中に多くの滝を懸けるなかなか面白そうな沢だ。
ここから往路を辿り、車に戻る。

 

 

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